3年ぶり「ごさい漬け」残りわずか 皆藤鮮魚店(茨城・鉾田市)
「うまいぞ」と、ごさい漬けのたるを前に皆藤さん

  鉾田市鳥栖の皆藤鮮魚店が、3年ぶりに漬けたごさい漬けが、売り切れ間近だ。

 漬けたのは、昨年の12月9日。暖かい日には冷蔵庫に保管しながら漬かり具合を調整して、12月28日に販売開始した。途中では「おまじない」だという秘密の工程も加えた。 

 残りは、サンマ50kg分を漬けたうちの3分の1ほど。「しっかりと漬け込まれた今のごさい漬けが、一番うまいよ」と同店の皆藤和男さん(67)。

 ごさい漬けは、鹿行地区海岸部の郷土料理。ぶつ切りしたサンマと大根を、ユズなどと合わせて漬け込む。独特の香りがあり、それが大好きという人と、苦手という人がはっきりと別れる。

 3年ぶりだったのは近年のサンマの不漁の影響。皆藤さんは、「良いサンマを使わないと、うまいごさい漬けはできないからやめていた」と話す。不漁が続く今期に漬けることを決めたのは、「どんなに高くてもいいから食べたいという人がたくさんいるんだよ」。

 皆藤さんは同店の2代目で、現在の店がある場所で生まれ育った。店の場所は、鹿行地区内ではあるが、海岸部からは離れているため、皆藤さん自身がごさい漬けに出合ったのは30歳を過ぎてから。家庭でごさい漬けを漬ける人が減り始めた頃で、客の問い合わせをきっかけに、「このうまさを知った」。

 作り方は、客らから学んだ。最終的な味を決めたのは、幼なじみが嫁入りした先の90代の姑が教えてくれたおまじない。「教わった通りのおまじないをすると、味がしっかりと染みるんだ」

 遠方のファンも多く、鉾田市から嫁に行ったという鹿児島県の女性から注文が入ったこともあるという。

 在庫は、電話で同店に問い合わせを。発送はしていない。同店☎0291・36・2281(水曜定休)。

 

 

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