親子である以上に旧車仲間 有賀清志さんと2人の息子(茨城・北茨城市)
(写真左から)それぞれの愛車と、良太さん、清志さん、弘樹さん

 北茨城市関本町富士ケ丘の有賀清志さん(63)と、長男の良太さん(34)、次男の弘樹さん(30)は、近所で知られたクラシックカー(旧車)ファン親子。

 通りに面した有賀さん宅では、清志さんと、同居する弘樹さんの愛車が目立つ。近所に暮らす良太さんも、子どもを連れて頻繁にやってくるため、そんなときは、駐車場が、クラシックカーファンのイベントさながらの様子になる。

 清志さんの愛車は、昭和45年製のセリカ1600。良太さんは40年製のスバル360で、弘樹さんは53年製のカリーナ1800だ。それぞれ細部まで手入れが行き届き、見た目も、エンジンの調子も最高だ。

 清志さんのクラシックカーファンとしての原点は、半世紀以上前。

 当時、まだ小学生。自宅の茶の間で新聞を開くと、現在の愛車セリカ1600の発売を告げる全面広告があった。「モノクロだったけど、写真が輝いていて、宣伝文句は『未来の国から来た車』だった」と、興奮気味に言う清志さん。ときめきは、年月を経てもやむことがなく、免許を取ると同時にセリカを手に入れた。

 当時は、車が変わっていく時代だったという。「機能性の追求で、個性が失われていった」と清志さん。清志さんがクラシックカーを乗り継ぐことになったのは、ときめきを基準に車を選び続けた結果だという。

 良太さんと弘樹さんが熱を上げたのは、清志さんの影響。弘樹さんは、クラシックカーのプラモデルを作ると、清志さんがとてもうれしそうにしていたのを覚えている。

 いつからか、親子というよりはクラシックカーファン仲間同士という感じになった。

 一家が、子育て期の真っ最中だったころ。清志さんが、妻の美佐江さんに相談することなく新たなクラシックカーを買って、夫婦げんかになったことがある。そのとき、「買っちゃいなよ」と、裏で、熱心に勧めていたのは、中学生だった良太さんだった。

 3人それぞれで、クラシックカーへの向き合い方が少し違うという。

 弘樹さんは、「一途なタイプ」。今の愛車は清志さんから譲り受けたもので、もう10年以上乗っている。「今でも新鮮で発見があるんだ」。良太さんは反対。クラシックカーだけで、もう30台は乗り継いでいる。「乗りたい車すべてに乗りたい」と話す。クラシックカーの再生も得意だ。

 清志さんは、今の愛車を最後の一台と決めている。

 「最初に乗ったセリカに戻ってきて4年。人生の一部だし、とてもありがたい存在」

 

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