やむを得ず命をいただく 地元専門家が「イノシシ」の授業 緒川小(茨城・常陸大宮)
増山さん(左)が持参したイノシシのあごの標本を手にとる児童

 イノシシの生態について知ろうと、常陸大宮市立緒川小学校(齋藤慶一郎校長)の3年生がこのほど、イノシシの狩猟をしている市内の増山洋治さん(67)を招いて話を聞いた。

 地元の自然を学ぶ授業の一つとして行った。増山さんは、イノシシの狩猟をして約45年。授業では、みんなは怖がるけれど、イノシシは実は臆病な動物であること、イノシシも生きるために必死で、田畑を荒らしてしまうこと、狩猟は殺すのが目的ではなく、田畑を守るためのことで、「命をいただいている」という気持ちで行っていることなどを話した。

 また、友人が作ってくれたという、イノシシの上あごと下あごの標本を紹介したり、校庭に出て、犬と協力して行うイノシシの捕獲方法の実演などもした。

 増山さんが3年生に授業を行うのは、3年前に続いて2回目。きっかけは、校庭にイノシシが掘ったと見られる穴が空き、児童たちの間で「この穴は何だろう?」「なぜイノシシは穴を掘るの?」などと話題になったことだった。

 「イノシシも自然の一部。イノシシを知ることで、地元の自然を愛する気持ちにつながったらうれしい」と、増山さん。

 堀江遥斗君(9)は、「イノシシが臆病だとは初めて知った。これからは、家の畑の仕事のお手伝いをしたい」と話していた。

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