茨城放送(本社・水戸市千波町)の平日午後の音楽ワイド番組「ミュージックステイト」。月曜と火曜を担当しているパーソナリティーの木村さおりさんによると、例年2月後半になると、圧倒的に増えてくるリクエスト曲があるという。シンガーソングライター松任谷由実さんの「春よ、来い」だ。
愛する人への思いを、まだ遠い春を待つ気持ちに重ねた名曲。「寒さが残るけれど、春の足音が聞こえて来る頃。春を待ち遠しく思う気持ちが、この曲に重なるのだと思います」
「庭のスイセンの花が咲きました」「春になったらこんなことをしたい」など、曲とともに寄せられるメッセージにも春らしさがあふれる。「この曲へのリクエストが届き始めると、今年も春が来たなと感じます」と、木村さん。
番組は3時間。かける曲は毎回16曲ほどで、リクエストコーナーで流す曲のほかは、ほぼ木村さんが選曲している。
1日の放送では、県内の県立高校の卒業式が行われたことに合わせて、卒業ソングを特集。ももいろクローバーZの「青春賦」、荒井(松任谷)由実さんの「卒業写真」、海援隊の「贈る言葉」など、新旧織り交ぜたラインナップ。
木村さんは、スピッツの「春の歌」と、渡辺美里さんの「さくらの花の咲くころに」の2曲を、春になると必ず番組で流している。「春の歌」は、「みんなに希望に満ちあふれた春が訪れますように」との思いを込めての選曲。「さくらの花の咲くころに」は、高校時代の親友との思い出の曲で、「さおりさんの好きな曲ですよね」と、リスナーがリクエストしてくれることもあるという。
新型コロナウイルスの影響で自宅で過ごす時間が増えるようになった昨年からは、番組に寄せられるリクエストがそれまでの2倍以上になったという。「ニュースを見て不安になったり、会いたい人に会えなくなったり。ラジオを聞いて、ほっと安心したいという人たちが多かったのでは」と木村さん。
木村さんは、少女時代からラジオ好きで、心の拠り所の一つだったという。ラジオの魅力は、「話し手とリスナーが、1対1で会話しているような親近感。リスナーのみなさんに、春風も届けられたら」。
②「桜」 コブクロ
③「卒業」斉藤由貴
※木村さんに聞いたもの
(シリーズ終わり)