行方市消防団女性部長の海老沢文江さん(64)は、2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに、防災士の資格を取得した。防災士は、災害時の避難や救助などについて、知識と技能を持つ民間資格。
「学んだ知識を地域に生かしたい。防災について分かりやすく伝えることが第一と考え、活動しています」
千葉県香取市の会社に勤務時代、祭り「佐原の大祭」のボランティアとして30年活動した。安全な祭りの開催のために、看護師のようなケアはできないが、自分も何かできることをと、救命講習を受けた。そのきっかけで、現在の消防団に入った。
「玄関の靴、そろえていますか?」は、防災士としての海老沢さんがよくする質問。災害発生時、靴がそろえてある場合と、そうでない場合とでは、玄関を出るのに3秒の差が生まれるという。「災害時の3秒は大きな差。防災は自分の身を守ること。家の中や周囲を整理整頓することも、防災の第一歩なんです」
防災に関する勉強ノートは15冊目。歯切れの良い口調で正しく伝えたいと、地元なめがたテレビの地域アナウンサー養成講座も受講した。手話も学んでいる。