再び響き始めた水琴窟 大野潮騒はまなす公園(茨城・鹿嶋市)
復元された水琴窟と見学する子どもたち。竹筒から流れ落ちた水が地中のかめに落ちて美しい音を鳴らす

茨城再見聞

  鹿嶋市角折の大野潮騒はまなす公園にある庭園装置「水琴窟(すいきんくつ)」が復元されて、周囲に美しい音を響かせている。場所は、木漏れ日が心地よい渓流散策路の脇。

 水琴窟の仕組みを簡単に言うとこうなる。要の部位は地中に埋められたかめ。内部は空洞で、そこに水がしたたり落ちて、たまっていく。一定量がたまると、落ちる水と、たまった水とが、水音を立てる。その音が、かめの中にこだまして、まるで琴の音のように聞こえる。江戸時代に造園業者が考案したと伝わる。

 同公園の水琴窟は昭和63年に完成。音は、憩いの場所の最高の演出だったが、東日本大震災をきっかけに、水流などの微妙なバランスが崩れて、音をなくしていた。

 復元は、同市の測量設計業、下川設計が創業50周年記念事業として取り組んだ。市内の造園業、にわけんが協力した。同設計の下川典一社長は「完成の際にも関わらせていただき、その後、音をなくしてしまっていたことを、いつも気にしていた。美しい音が一人でも多くの人の耳に届けば」と話している。

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