日立鉱山写真集が最高賞 日立高速印刷が地元出身写真家の作品を形に(茨城・日立市)
写真上=小川市長(中央)に受賞を報告した川上社長(左)と中井川さん、写真下=中井川さんの写真集の表紙に使われている写真「最後の入坑」

  日立市東成沢町の「日立高速印刷」が印刷した写真集「日立鉱山に生きた人々 『閉山』とその後、そして現在」が、優れた印刷技術を顕彰する全国コンクールで、最高位の経済産業大臣賞に輝いた。

 このほど、同社社長の川上光彦さん(59)と、写真集の著者で写真家の中井川俊洋さん(64)が同市役所を訪れ、小川春樹市長に受賞を報告した。

 コンクールは、一般社団法人日本グラフィックサービス工業会が主催する「ジャグラ作品展」。約60年の歴史があり、今回は「出版印刷物」「宣伝印刷物」など4部門に640点の応募があった。

 同写真集は、同市が工業都市として発展する礎となった旧日立鉱山の閉山時の記録と、当時働いていた人々の現在までの写真を収録したもの。

 中井川さんは同市出身。閉山から40年余りが経ち、「働いていた人たちの鉱山魂のようなものを伝えたい」と、昨秋に初版を出した。

 川上さんによると、印刷の際に一番苦労したのは、「黒」の色合い。モノクロ印刷では、黒がのっぺりとした色になってしまうため、同社では、中井川さんから預かったモノクロ写真のデータを、4色のカラーで印刷した。

 「写真の持つ重みをどう表現するか、現場は苦労したが、中井川さんも満足してくれた。全国的にも大きな評価を得られて、励みになった」と、川上さん。

 小川市長は、「写真集の内容も印刷技術も、素晴らしい。多くの人たちに手にとってもらえたら」と話した。

 なお、同写真集は、同市郷土博物館で販売している。1冊1800円。同博物館☎0294・23・3231。

 

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