3月で閉校する潮来市立大生原小学校でこのほど、卒業生や地域の人たちに、思い出深い校舎を見学してもらおうという「学校地域公開」が行われ、約200人が来場、懐かしの学校との別れを惜しんだ。
同校は創立109年。かつては約400人の児童が通ったが、現在は45人。地元農家の協力で米作りをしたり、運動会は地域も参加するなど、「地域に支えていただいた。感謝も伝えたくて公開を企画した」と、白田美佐代校長。新型コロナウイルスの影響から、公開は時間を限定して行った。
校舎は、音楽室や図書室、校長室などを公開。体育館には、「自分の好きな学校の風景」をテーマに描いた児童の絵画や、開校当時からの懐かしい写真を展示したり、これまでの卒業アルバムを並べたりした。
同市の根本久子さん(82)は、校庭のオオヤマザクラの木を懐かしみ、「昔は本当に大きな木で、木陰でよく遊んだ。散った花を拾って、針と糸でつないで首飾りにしました」
水戸市から来場した佐久間美保子さん(47)は、小学生時代、毎日のように通ったという図書室へ。「もっと多くの本があった気がするけど、自分が大きくなったのかな」
潮来市の福田尚子さん(55)は、同級生3人と来場。「子どもたちもお世話になったので、思い出がたくさんある。閉校は寂しいです」
同市の石山沙織さん(37)は、卒業アルバムを見ながら思い出話に花を咲かせた。「楽しい記憶ばかり。いい思い出になりました」と笑顔だった。