【前向きに 新しい生活様式②】私たちの今を、ロックする 12月に復活ワンマンライブを行うバンド「goomiey(グーミー)」 〈水戸〉 
ライブの構想を練るメンバー(左から岩堀さん、平山さん、大久保さん)

 昨年の春、まだ高校生だったころに全国流通版CDを発売、全国へと羽ばたいた水戸出身のロックバンド「goomiey」(グーミー)は12月、コロナ禍の影響で2度延期になった末に開催が決まったワンマンライブのステージに立つ。会場は水戸市のライブハウス、ライトハウス。

 ドラムとコーラス担当でバンドのリーダーの大久保林香(りんか)さん(19)は、「予想できないことの連続でしたが、おかげで成長できたこともある。ありのままを自分で演奏したい」と話す。

 

 メンバーは女性3人で、全員が19歳。ギターとボーカル担当が平山舞桜(まお)さんで、ベースとコーラスは岩堀聖奈(せいな)さん。大久保さんと平山さんが高校で出会って、バンド結成を約束。大久保さんの中学校の同級生だった岩堀さんが仲間になった。

 昨年春のCD発売後には、関東各県を巡るライブツアーに出掛けた。演奏機材を乗せた車のハンドルを、運転免許を取ったばかりの3人が握った。

 ラジオやテレビからも声がかかり、関西の女子大学のテーマソングも手がけた。今年3月には、2枚目のCDをリリース。それに合わせた念願の全国ツアーも決定した。

 忙しい最中、メンバーと関係者で、近い将来のバンドの理想のストーリーを書き出したことがあった。来年の夏の欄には、ひたちなか市で開かれる「ロックインジャパンに出演」と書いた。決して夢物語ではなかった。

 全国ツアーを含む予定が次々キャンセルになったのは、それから間もなく。ツアーで巡るはずだったライブハウスという場所は、新型コロナウイルスの感染が広がりやすい場所とされた。

 5月、所属した事務所との契約が解除になった。メンバーの希望も考慮された。自分たちのような、駆け出しのバンドを多く抱える事務所の苦悩を前に、いたたまれない思いだった。

 

 自粛期間中のメンバーが、よく話し合ったのは3人の夢。「かっこいい女性になることなんです」と大久保さん。岩堀さんは「これまでも何度も夢を確認して、前を向いてきた」と振り返る。

 今は、別々のアルバイトに忙しく、家族同然だった今春までの関係とは違いがある。そのことに戸惑いもあるが、「コロナのせいで、こんなことになった」とは捉えていない。「私たちが成長している証しだと受け取ったほうが、私たちらしい」と3人。

 

 12月のワンマンライブは、全国ツアーの最終公演として、故郷に錦を飾る舞台になるはずだったもの。状況は大きく変わり、ライブの形も以前と同じようにならないかもしれない。

 平山さんは、ライブに込める思いをもう決めている。

 「高校を出てもバンドを続けると決めたとき、同級生のみんなと違う道に進んでいくように思ったけど、そうではなかった。だれもが、明日がどうなるか分からない中、大好きなことに向かって必死に頑張っている。だから、みんな、一緒に頑張ろうねって伝えるつもりです」

 

グーミーのワンマンライブは12月8日に水戸市南町のライブハウス「ライトハウス」で行われる。チケット発売日などの詳細はグーミーのホームページ(http://goomiey.com/)とツイッター(@_g_o_o_m_i_e_y)で発表する

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