廃棄チェーンで工作作品 地域おこし協力隊の植松さん(茨城・大洗)
「自転車に興味を持ってもらえたら」と植松さん

 大洗町成田町の交流体験施設「夕日の郷松川」の農産物直売コーナーに並ぶ自転車の模型は、同町地域おこし協力隊の植松稔貴さん(38)の作品。廃棄になる自転車のチェーンを素材に工作したオリジナル。

 「野菜の直売所なので、すみにひっそりと置いています。自転車の魅力が伝わったらうれしい」

 展示しているのは6台ほど。ハンダ付けをしたり、油性ペンで色を塗ったりして仕上げている。

 作り始めたのは1年ほど前。廃棄されるチェーンを見ていて、何かに利用できそうだなと考えていたという植松さん。チェーンは自転車店で分けてもらった。

 自転車好きは子どもの頃から。高校時代には、出身地の静岡県沼津市から神奈川県箱根町までの往復を、ママチャリで1日で走破。7年前には自転車旅をテーマにした本を出した。

 大洗町との縁も自転車がきっかけ。以前の勤務地の埼玉県から自転車で訪れると、ふるさとの沼津に帰ってきたような郷愁を感じた。友人らを集めて、大洗町を目的地にした東京発の自転車ツアーを企画したことも。「この町に住みたい」と転職を決め、昨年10月、協力隊として着任した。

 協力隊では、同施設の管理を担当しながら、地域の自転車イベントにも携わっている。今後企画したいイベントの1つが、自転車でバター作り。生クリームを入れた水筒を自転車に乗せて走り、走行中の揺れを利用してバターを作るもので、「走るのは80㌔ぐらい。おいしいバターができますよ」と植松さん。

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