亡き父と絵画「親子展」 東海ステーションギャラリー 5月15日まで 風景画など46点展示
政一さんの作品(手前)を持つ淳子さん。奥は淳子さんの作品

 JR東海駅(東海村舟石川駅西)2階の東海ステーションギャラリーで開かれている「親子展」は、先月86歳で亡くなった水戸市の佐藤政一(まさかず)さんと、娘の淳子さんの絵画展。「親子展を楽しみに、最後まで前向きに描いていた。父の作品を見てもらえたら」と淳子さん。15日まで。

 政一さんは、子どもの頃から絵を描くのが好きで、勤務先の日本原子力研究開発機構では絵画部を創部。同村の東海美術連盟にも所属した。淳子さんは、政一さんの影響もあり、2004年から本格的に描き始めた。

 親子展を企画したのは、一昨年の12月。政一さんが体調を崩し、余命半年との診断を受けたことから、「少しでも元気を出してもらおうと思って」と淳子さん。

 当初は昨年7月に開く予定だったが、新型コロナウイルスの影響でギャラリーが休館になり、開催を約1年伸ばすことに。

 政一さんは余命宣告後、手術を受け、一時体調が回復した。昨年9月には、4年がかりで取り組んでいた作品「安曇野と有明山」を仕上げ、県芸術祭美術展覧会(県展)に出品すると、特賞を受賞。「こんなご褒美があるんだね」と、2人で喜んだ。

 今年3月、再び体調を崩して入院した。淳子さんが見舞いに来るたびに、「家に帰って絵を頑張って」と繰り返した。「父はいつも、私を一番に応援してくれていました」と淳子さん。

 展示は46点。政一さんの作品は、好きだった山を描いたものなど24点。特賞受賞作は、県知事室に展示してあるため、作品を撮影した写真を展示している。淳子さんの作品は、日展出品作など100号が中心。午前10時~午後6時。15日は同3時まで。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう