鹿嶋神の道運営員会の代表、西岡邦彦さん(80)は、「鹿嶋 神の道」の道中にある目的の場所に差し掛かると、「こんな景色は、なかなかないでしょ」と満面の笑みだ。
鹿嶋神の道は、鹿嶋市の市民らが作ったウオーキングコースで、「新日本歩く道紀行100選」に指定されている。目的の場所とは、同市山之上の谷津田(やつだ)と、周辺。西岡さんが、「新緑を楽しむのに最高」とすすめる風景が広がる。そこに至る道は、鹿嶋神の道の一部でありつつ、かつて、同市の鹿島神宮、坂戸神社、沼尾神社を巡る人たちが切り開いたという古道。
古道は、うっそうとした林を進む。林を抜けて、苗が植えられたばかりの田んぼが一面に広がると一気に別世界。周囲に人造物がないことから、昔にタイムスリップしたような気分にもなる。外国人を案内することもあるという西岡さんは、「これが日本の美と自慢する」と話した。
水面は間もなく、稲の緑で覆われ、やがてホタルの季節がやってくるという。
谷津田へは、同市豊郷まちづくりセンターから約3km。