大子町左貫の茶農家「小室園」(小室栄寿代表)はこのほど、生産農家が少なく、幻の茶葉と呼ばれることもある「べにつくば」を原料にした紅茶、「情熱紅茶」の販売を始めた。
べにつくばは、1953年に、旧真壁町の農家で見つかった在来種で、紅茶に向くとされた。県の推奨もあり、産地化が目指されたが、64年をピークに衰退。消滅したかに思われていた。
小室園のべにつくばは、小室さんが7年前に、同町の山間地帯特産指導所の畑で、偶然発見した株から苗木にしたもの。5年間で1000平方㍍まで増やし、約20㍍の茶葉が収穫できた。
小室さんは、「色味が良く、バラのような華やかな香りが特徴。茨城の紅茶として、県と大子町をアピールしていきたい」と期待を寄せる。
同紅茶は一番茶、二番茶タイプがあり、ともに50㌘800円。同町左貫の奥久慈茶の里公園で販売している。