常陸太田市稲木町の西山研修所で2月17日、3月2日に行われる「西山えびらづくり教室」は、同研修所のこの時期の恒例行事。えびらは、同市と周辺に自生するタケの一種のオカメザサを材料に仕上げる籠。梅干しなど作る際の干し台にするほか、麺の水切りざるとしても使う。この時期に開くのは、暖かくなると、オカメザサに虫が入り込むためだ。
えびらは、本県の県北部と福島県でも作られているという情報がある。「地域に根ざしてしっかりと受け継がれている文化」と同所長の桝田優太さん(36)。
教室は、和やかな一方、時間に追われる側面がある。オカメザサの収穫に始まり、完成まで1日で終える必要があるから。オカメザサは、収穫してから時間がたつと折れやすくなってしまうという。
講師の豊田勝男さん(77)は、元は、受講生の1人。教わったのは1つの籠だが、10年ほどの間に、10種余りを作れるようになるほど、「夢中になった」。
同所☎︎0294・72・0359。