大子町頃藤の上小川小学校ではいま、ちょっとしたオオクワガタブームが起きている。
同校では、6学年の全クラスが、オオクワガタのオスメスの1ペアを飼育中。ブームは、同校の廣木恒夫校長(56)も、2ペアの飼育を買って出たことがきっかけだった。
オオクワガタは、同町の県立大子清流高校から贈られたもの。同校は7月、子どもたちが命の大切さを学ぶきっかけになることを願い、町内の全小学校にオオクワガタを贈った。
廣木校長は、今年の3月までは、水戸市の学校に勤務。同校の子どもたちや同僚の教諭らからみれば、“都会から来た校長”だ。その校長が、クワガタの飼育という里山の文化に関心を持つ様子は、子どもたちにも、教諭らにもうれしいものだった。子どもたちの中には、校長に飼育方法などについてアドバイスするものが現れ、一部の教諭は、学校近くで自ら採取したクワガタやカブトムシを校長に追加でプレゼントした。
同小の学校便り「上小川小だより」は、7月31日と8月5日の発行分で、オオクワガタの話題がトップニュース。オオクワガタに名前を付けたこと、子どもたちのオオクワガタへの思いなどが報告された。
廣木校長は、「オオクワガタは、新型コロナで我慢を強いられる夏に明るい話題を提供してくれた。大子清流高のみなさんには、心から感謝したい」と笑顔で話している。
なお、大子清流高が贈ったオオクワガタは、生徒らが体験学習の一環で繁殖させたもの。例年、夏には、地域のイベントなどで一部を販売するなどしていたが、今年は多くが中止になったため、町内の小学校に寄贈した。