高萩市高萩の市歴史民俗資料館は、国指定重要文化財「長久保赤水関係資料」の修理過程の一端を紹介する企画展「重要文化財長久保赤水関係資料修理事業―文化財を未来に繋(つな)ぐ―」を開いている。
赤水は、同市出身の江戸時代の地理学者。遺した資料群693点は2020年9月、「江戸時代中後期の文化史、地図史の研究上に学術的な価値が高い」などと評価され、国重文に指定された。
指定資料の多くは、経年に伴う汚損が見られることから、同市は21年度から国や県の指導を得て保存修理事業を始めた。今展では、保存修理が完了した資料の一部と、今後の修理予定も紹介している。
展示は、赤水の代表作とされる刊行日本図「改正日本輿地路程全図」、自画像など12点。修理前後の資料を見比べられるように、一部には修理前の写真も展示した。
展示品の一つ、「改製日本分里図」は、改正日本輿地路程全図の原図とされる資料。自筆の図で、胡粉(ごふん)や貼り紙で修正した痕跡が数多くあり、赤水の努力がうかがえる。
会期は12月10日まで。入場無料。月曜休館(祝日の場合は開館し、翌日休館)。同館☎0293・23・1132。