茂宮の冬の宝を簡単に 井上さんの白菜の切り漬け(茨城・日立)
ユズを加えると、より色どりも香りもよくなる

 日立市茂宮町の農家井上隆郎さん(74)宅の食卓には、毎年この時期になると、白菜の切り漬けが並ぶ。

 井上さんは、同町産の白菜「茂宮(もみや)白菜」を栽培する同市茂宮特産物研究会(宮田秋文会長、20人)の1人。茂宮白菜の特徴は、肉厚ながら筋がほとんどなく滑らかなこと。その魅力を存分に味わえるのは、「漬物にするのが一番」と井上さん。樽でしっかり漬け込む長漬けもいいが、切り漬けの良さは、材料を切って漬けるだけ、しかも短時間で仕上がる手軽さ。

 「うちの切り漬けは、ニンジンで彩りを加えて、ショウガとニンニクで香り付けする。ご飯がすすむよ」

 作り方は極めて簡単だ。

①白菜をざく切りにする
②白菜を適量の塩でもむ
③ニンジン、ショウガ、ニンニクをそれぞれ細切りにする
④塩もみした白菜を、水が出てきたら切り、ニンジン、ショウガ、ニンニクと合わせる。重石をのせて(水を入れたペットボトルなどでもいい)、1晩おく。1晩おいたら、水を切り、保存袋などにいれて冷蔵庫に入れておく。

 コツは、1~2日で食べきる量で作ること。「浅漬けならではの白菜のシャキシャキ感も魅力だよ」

 茂宮白菜のおいしさを育んでいるのは、久慈川と茂宮川に挟まれた同地域の豊かな沖積土壌。同研究会では、白菜と同じ畑でカボチャも栽培していて、「茂宮かぼちゃ」として市の地域ブランドに認定されている。 

 地域自慢の白菜とカボチャのおいしさを広めたのは、研究会の先輩たち。井上さんによると、井上さんの父親世代の人たちは、市場の仲買人にカボチャの煮物を持って行って食べてもらうなどしていたという。「どちらも茂宮町の宝。この味を守っていきたい」と、井上さん。

 茂宮白菜は、同市大和田町のJA常陸「みなみ直売所」で販売。販売は、来年1月頃までの予定。

 

茂宮白菜を持つ井上さん茂宮白菜を持つ井上さん。茂宮白菜は、ピンク色の帯が目印

 

 同店☎︎0294・85・6700(午前9時~午後3時、水曜定休)。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう