日立市東多賀町の長山守隆さん(81)が、朝の道端で通学の子どもたちにあいさつをする「見守り活動」を始めて、30年がたった。活動は、地域の多くの人や団体が知るところで、今年4月には河原子学区コミュニティ推進会から、今月9日には日立署から感謝状が贈られた。
元日製マンで、仕事の傍らで長年、バレーボールの実業団チームの応援団長を務めた。神輿(みこし)を担ぐのも好きで、地元の祭りのたびに先頭に立った。
見守り活動の根っこには、応援団長や神輿の活動と同じ気持ちがあったという。おはようのあいさつにはいつも、「元気を出して、楽しく過ごそう。頑張れ」などという気持ちを込めた。
あいさつを返してくれるまでに、3年かかった子どももいた。それどころか、「何度も同じこと言っているんじゃねえ」と食ってかかってきた子どももいた。長山さんが心掛けたのは、「急がないこと」。笑顔であいさつを繰り返す中で、自然と良い方向へ変わっていったという。
妻のふで子さんは、「もうそろそろいいんじゃない」と引退を勧めることもあるという。季節によっては、あいさつだけでも体に負担のかかる日が多いからだ。長山さんは、「もちろん無理はしないよ。でも、性分だから仕方ないんだ」と笑う。