日立市の切り絵作家、竹蓋(たけふた)年男さん(62)が3月15日、地元の同市立宮田小学校の6年生55人に、卒業記念品として、手製の切り絵の似顔絵をプレゼントした。それぞれの特徴をとらえた似顔絵に、子どもたちは見せ合って喜んだ。
切り絵の制作は、同校の鈴木裕一校長が竹蓋さんに依頼した。コロナ禍で制約の多い学校生活だったが、「学校の思い出が一つでも増えれば」との思いから。竹蓋さんにとって同校は、小学1~5年生までを過ごした思い出の場所でもある。
55人の卒業アルバム用の写真をもとに、筆ペンで似顔絵を描いてから、切って仕上げた。1人分に3時間ほどかけて丁寧に制作した。
青山大輝君(12)は、「目のあたりがすごく似ている」と驚いた様子。浅野百花さん(12)は、「うれしい思い出ができた」と喜んだ。
竹蓋さんは、「制作中は似ているかどうか不安だったが、喜んでくれた様子を見てほっとした。似顔絵が、地元の良さを思い出すきっかけになったらうれしい」と、話していた。