鉾田市大蔵の市立大洋中学校(中根伸一校長)の周囲には、70本の八重桜が植えられている。学校の桜というとソメイヨシノのイメージがあるが、同校を彩るのは、八重桜。例年の見頃は、入学式が行われる4月上旬。今年は63人の新1年生が入学予定だ。
同校に八重桜が植えられたのは、1982年。現在の校舎の建設に合わせたものだった。植樹された年と、当時の村長名を記した看板が残るが、なぜ八重桜を植樹したのかはわからないという。
教頭の市村俊英さん(53)も、2年前の着任当初は、どうして八重桜なのかと不思議に思ったというが、今は別の印象だ。「とっても華やかで、学校にぴったり」。開花のたびにカメラを持ち出すのも習慣になった。
同校の春ならではのもう一つの景色は、正門を入ってすぐの芝生の「前庭」のタンポポと、八重桜の“共演”。前庭は広さ約3000平方㍍。休み時間に遊んだり、寝転んだりと、生徒たちの憩いの場になっている。「美しい芝生を保つためにはタンポポは抜かなきゃならないのですが、かわいいですものね。春を感じる景色です」