トゥクトゥク目撃情報相次ぐ     大洗観光おもてなし推進協議会の事業(茨城・大洗町)
トゥクトゥクの運転席で笑顔の平間さん  


 タイなどの東南アジアでタクシーとして普及している三輪自動車「トゥクトゥク」が、大洗町のあちこちで目撃されている。

 運転スピードがゆっくりな上、トゥクトゥクは屋根があるだけで、ドアも窓もないため、乗っている人の様子がよく見える。いつも、後部座席に、にこにこと楽しげな4~6人。先週末は、ビールと思われるカップを手にしている人もいた。

 

 目撃されているのは、町などでつくる「大洗観光おもてなし推進協議会」の事業の一場面。事業はスタートしてから約1年。季節ごとに、運転手のガイド付きで町内を周遊するトゥクトゥクショートトリップ(小旅行)を行っている。

 現在進行中なのは、今後7月15・17・22・23日と、8月5・611・12・13日に行う地ビール付きショートトリップ。大洗シーサイドステーション(港中央)の地ビール店で一定の買い物をすると参加できる。同店で申し込む。

 

 大洗観光おもてなし推進協議会の活動目的は、同町の魅力発信や活性化。トゥクトゥクの活用は、民間を含むさまざまな立場の人を交えた会議で決定したという。

 「トゥクトゥクには、人を引きつける何ともいえない魅力があるじゃないですか」とは、同協議会の平間一輝さん(27)。その上で、「大洗の潮風を感じることができること」「開放的で、移動時間も楽しみになること」が採用の理由だった。

 

 導入されたトゥクトゥクは、タイから輸入したフレームと、国産の動力やブレーキシステムなどを組み合わせた“ハイブリット車”。トゥクトゥクの魅力を保ちつつ、安全性能を高めた結果だ。

 

 現在進行中の地ビール付きショートトリップの稼働率は6~7割と、まずまず好評。利用者の満足度調査では、さらに数字が上がる。

 魅力は、3つある。トゥクトゥク自体が持つものと、同町の個性ある町並み。もう一つは、運転手の飾らぬ町案内だ。

 現在男女各1人がいて、それぞれ、同町で長く暮らしてきた人。「個性を出してほしいとお願いしている」と平間さん。

 小野瀬とき子さん(59)は、その1人。「目立つ車だから、みんな、最初は照れくさがる。そんなときは、私が言葉でうまく乗せるの。最後は、お客さんの方から住民に手を振るようになるくらい楽しんでもらう」と笑う。

 

 関係者の夢は、トゥクトゥクが、観光客と生活者が共有する町の日常の足になること。

 「トゥクトゥクには、人をつなげる力があるんです。後部座席で相席になったりすると、自然に会話が生まれる。そうすれば、どんどん楽しいことが生まれるはずでしょ」と平間さん。

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