明治期に活躍した京都の七宝作家、並河靖之の大回顧展「並河靖之の雅な技 世界を魅了した明治の京都七宝」が7月9日から、北茨城市大津町椿の県天心記念五浦美術館で開かれる。同館の開館25周年記念展。
七宝は金属の素地の上に釉薬(ゆうやく)をのせて焼き、彩色した金属工芸の一種。明治時代、輸出用の美術工芸品として人気を集めた。並河(1845~1927年)は、武士出身で、明治維新後に七宝業に取り組んだ。中国の有線七宝に学び、独自の改良を重ね、国内外の博覧会で積極的に作品を発表して評価を高めた。1896年には帝室技芸員となり、当代一流の工芸家としての地位を確立した。
展示は、並河七宝の名品58点と、当時、「二人のナミカワ」として高い評価を受けた濤川惣助(なみかわそうすけ)ほか同時代に活躍した七宝作家の作品など。
会期は9月25日まで。入場料一般840円、70歳以上420円など。月曜と7月19日は休館(7月18日、9月19日は開館)。同館☎︎0293・46・5311。