明治43年に那珂湊沖で起こった海難事故が題材の劇「海鳴の宝船歌(ほうせんか)」の野外公演が8月10・11日、ひたちなか市牛久保のスポーツ文化交流施設「しおかぜみなと」(旧那珂湊二高)グラウンドで行われる。脚本は、劇作家の長谷川裕久さん、演出は黒澤寿方さん。
題材になった海難事故では、漁師547人が犠牲になり、漁船88隻が失われた。同事故が、手こぎの和船から動力船へと移り変わる日本漁業の近代化のきっかけになったともいわれる。
劇では、犠牲者への鎮魂の思いと、漁業の再生の実話を、古代神話を絡めながら表現している。「暗い世相の中、漁業で栄えてきた那珂湊の歴史を知ってもらい、町が元気になれば」と、実行委員会代表の磯崎満さん(72)。開演は午後7時。入場無料。8月6~11日には、江戸~昭和初期の那珂湊の歴史資料を公開する資料展「江戸から昭和初期の那珂湊」など関連催しもある(8日は休館)。
磯崎さん☎︎029・262・2291。