行方市沖洲の「三昧塚(さんまいづか)古墳公園」にある前方後円墳は、5世紀後半につくられたとされる三昧塚古墳を復元したもの。県内の古墳の中でも大型で、全長85㍍、後円最頂部は高さ8㍍。見学用の石段が設置されていて、古墳の上も歩ける。登ったり、見上げたり、眺めたり、さまざまな古墳見物が堪能できる公園だ。
古墳の後円部の上には、解説パネル「三昧塚古墳埋葬主体部状況図」がある。それによると、古墳には、「馬形飾のついた冠をかぶり、玉類を身につけた一体の成年男子が埋葬されていた」という。「豪華な副葬品とともに眠る人物は、近畿地方の勢力と強い絆をたもちながら、霞ケ浦の水運を掌握し、行方地域を制した大首長であろうと考えられる」とある。
古墳の発見は1955年。霞ケ浦の堤防工事がきっかけだった。副葬品等出土資料は2018年に国重要文化財に指定された。同公園は、歴史的文化遺産を後世に伝えようと、市が2006年に整備した。場所は、国道355号線沿い。見学は自由。