初版本の復刻本コーナーが好評 市立中央図書館(茨城・鹿嶋市)
復刻本の展示コーナと、本の並びを整える大川さん

茨城再見聞

 鹿嶋市宮中の市立中央図書館に、近代文学の初版本の復刻本を展示するコーナーが設けられている。夏目漱石、太宰治ほか、約100人の作家の約300冊を、手にとって見ることができるほか、借りることもできる。展示は、9月30日まで。
 復刻本の多くには、変体仮名や、昔の画数の多い漢字がちりばめられていて、ほとんどの人にとって難読だ。しかし、装丁や大きさ、紙質も個性に富み、作家や、その本の発行に携わった人たちの思いが伝わる。「ずらりと並ぶ様子を、眺めているだけでも楽しい」という利用者の声もあるという。
 展示場所は、貸し出しカウンターの前。そこは、10人いる同図書館の司書が、2人1組になって考えた本にまつわる企画を発表する場所。初版本の復刻本を展示するアイデアは、大川裕子さんと中山雅子さんのもの。大川さんは、「今の人たちが忘れかけている読書の楽しみ方を、お伝えできる気がした」と話す。
 展示している復刻本は、10年以上前に、地域に暮らす読書ファンから寄贈されたもの。一時は、同図書館の大野分館に保管されていたが、今年、同図書館に戻された。
 月曜と9月27日は休館。

 

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