社会を見据えて草刈り中 耕作放棄地でアボカド栽培を始めた青年たち(茨城・日立)
神田さん(左)と赤羽さん。生ゴミの堆肥化や、放置竹林の竹を燃料として活用するなど、環境に配慮した栽培方法を確立していくという

 5月に日立市に移住した2人の青年が、茂宮町の耕作放棄地で、アボカドの栽培に取り組んでいる。2人が目指すのは、アボカドを同市の新しい特産品に育てることと、栽培を通して、地域の課題を解決していくこと。初収穫は3~5年後の予定だ。

 2人は、東京から移住した神田駿介さん(36)と、広島から来た赤羽悠斗さん(25)。赤羽さんは、県の県北起業型地域おこし協力隊員も務めている。

 アボカドを栽培する場所は、以前はキュウリが栽培されていたハウスで、広さ約500平方㍍。市の紹介で借りた。現在は、生い茂る草の刈り取りと平行して、ハウスに植える苗の栽培を行っている。アボカドは、実を付けるまで5年かかるが、その後は毎年実るという。 

 2人は6年前、フィリピンでの語学留学で知り合い、2020年に「ソーシャルビジネス」を行う団体「Pieces(ピース)」を立ち上げた。ソーシャルビジネスは、ビジネスを通して、環境保全や地方活性化など社会が抱える課題の解決を目指す取り組み。

 栽培場所に耕作放棄地を選んだのは、同団体の趣旨を踏まえたもの。また、世界的にアボカドの需要拡大が続いていて、途上国に多い生産地で、栽培を巡って、環境破壊や農家とギャングの抗争が起きていることも背景にある。「国内でのアボカド栽培を普及させることで、途上国の問題解決にも寄与していきたい」と2人。

 日立市に来た理由は、海と山に囲まれた同市の景観に一目ぼれしたこと。温暖な気候はアボカド栽培に適している。「朝日も夕日も本当にきれい。人も優しいです」と2人。

 なお、2人は9月16日まで、インターネット上で事業の支援金を募る「クラウドファンディング」に挑戦中。「日立アボカド」で検索できる。

 クラウドファンディングのページは、こちら

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