妻の朝子さんとともに一週間の半分ほどを鉾田市上沢で暮らすという千葉県船橋市の川島行篤(ぎょうとく)さん(78)にとって、「名刺や、ギフトの代わり」だというのが、折り紙だ。
特に、2拠点での生活を始めた3年ほど前から、「折り紙に助けられることがより多くなった」と川島さん。
鉾田市に不慣れだった当初、道を教えてくれた飲食店には、桜や人形など、季節ごとに作品を届けた。アジサイの花がきれいだった寺には、アジサイを撮影した写真の上に、折り紙で作ったカタツムリをのせたしおりを作った。ゴルフで出会ったキャディーにも感謝のしおりを手渡したという。
「笑顔が見られるし、自分を覚えてもらえる」と、川島さん。
折り紙で折るのは、既存の折り方にアレンジを加えたオリジナル品。花や動物など、実物や図鑑を見るなどして、工夫して作品にしている。
折り紙は、退職後の趣味で始めた。「手の指は太いんだけど、細かい仕事は子どもの頃から好きなんだ」と、川島さん。今は、折り紙の流派の「日本伝統折り紙 本多いさを流」の師範でもある。
一番の新作は、バラの花。ツバキの花の折り方をアレンジして作った。「華やかでしょう。プレゼントしたら、喜ばれるかな」