水戸市泉町のワイン醸造所「Domaine MITO(ドメーヌ水戸)」は3日、今年の新酒を解禁した。市内で育てたブドウを使用したメードイン水戸のワイン。
「仕込み中、イチゴジャムのようないい香りに包まれた。今年もブドウの出来は上々。そのすべてを閉じ込めるように造りました」と、社長の宮本紘太郎さん(43)。
ワインは赤ワインで、名称は「水戸2020」(750㍉㍑入り、小売り価格3000円)。ブドウは、栽培契約先の鯉淵学園農業栄養専門学校(同市鯉淵町)が育てた「アーリースチューベン」を使っている。
醸造は5年目。同社は2015年、ワイン造りを通して、水戸の中心市街地を元気にしたいとの趣旨で設立。ブドウは同学園のほか、市内の農家などに栽培を依頼。今年は新型コロナウイルスのため開催できなかったが、ブドウ栽培やワイン醸造の体験会も実施してきた。
宮本さんは、大学を卒業後、東京のワインの輸入・販売会社に10年間勤務した経験を持つ。フランスの小さなワイナリーとの仕事が多く、オーナーたちが一番に自慢するのは、自分のワインはどんな料理と合うかという楽しみ方の話だった。
「ブドウの品種や製造方法などのワインの背景だけでなく、食べて、飲んで楽しむワインの魅力も広げていけたら」と宮本さん。
販売は、同市泉町の京成百貨店地下1階の酒売り場、同市栄町の宮本酒店、鯉淵学園直売所「農の詩」などで。スーパー「セイブ」全店では19日から、500㍉㍑入りのミニサイズを販売(同2000円)。