大洗町港中央の「ビーチカルチャーブルーイング」は、昨年10月にオープンしたクラフトビールの醸造所兼店舗。クラフトビールは、小規模の醸造所が手がけるビールのことで、素材や製法にこだわった個性的な味わいが魅力だ。
切り盛りするのは、潮来市出身の風間智さん(43)。同町との縁は、趣味のサーフィンでよく訪れていたことや、妻の実家があったことなど。6年前に移住した。
醸造しているのは9種類ほど。干し芋とレモンを使った「干し芋レモンホワイトエール」は、「レモンの酸味がさわやかで、暑い夏にぴったり」。フルーティーでほんのりとした苦味のある「大洗ゴールデン」も夏おすすめの1杯。
どのビールも、麦汁を濾過(ろか)する工程で、最初に出る「一番麦汁」のみを使用。大洗の潮風を浴びながら飲むことをイメージしていて、麦芽の苦みや渋みを最小限に抑えたさわやかな口当たりに仕上げている。
実は、酒はそれほど好きではなかったという。職人の仕事への憧れから、鹿嶋市にある醸造所でビールづくりを約4年間学んだ。東京の醸造所や本場ドイツにも出かけてさまざまなクラフトビールにふれるうちに、味や作り方も多彩な世界にのめり込んでいった。自分のビールを作りたいという探究心が抑えきれなくなり、トレーラーの運転手などをして資金をためて、開店にこぎつけた。
目標は、「ビールを通してこの町に新しい風を吹かせたい」。同店は、大洗シーサイドステーション内。同店☎︎070・8934・2185。木曜定休、不定休あり。
茨城 クラフトビールコレクション
◆ 弥栄(いやさか)◆
パラダイスビアファクトリー(鹿嶋)
弥栄
パラダイスビアファクトリーは、自家栽培する無農薬麦を使うビールの醸造所。レストランも併設している。水は店舗に近い鹿島神宮の御神水を使用。現在、8種を醸造販売。弥栄は、かんきつの香りと風味、さわやかな酸味が特徴。国際的なビール審査会「インターナショナル・ビアカップ2018」で銀賞受賞。330㍉㍑770円。生ビールと瓶でも販売。
鹿嶋市宮中1の5の1 月・火・水曜定休 午前11時半~午後4時(生は午後2時まで)、土曜は午後6時~9時(生は午後8時半まで)も営業 ☎︎0299・77・8745
◆やみぞ森林のビール◆
大子ブルワリー(大子)
やみぞ森林のビール
大子ブルワリーは、ドイツ人ビールマイスターの指導で26年前に開所。 原材料の麦やホップと、醸造の設備もドイツ産にこだわっている。生産するのは、八溝山系の湧水を仕込み水に使った麦100㌫で非熱処理のビール。コクのあるうま味が特徴のラガータイプの「ピルスナー」、フルーティーな香りの「ヴァイツェン」、麦芽のうまみたっぷりの「へレス」、季節限定のブラウンビール「シーズンビール」の4種類がある。330㍉㍑500円、500㍉㍑750円。
大子町上金沢1653 不定休 午前11時~午後6時 ☎︎0295・72・8888
◆うしく ゆめかおりエール◆
牛久シャトー(牛久)
うしく ゆめかおりエール
牛久シャトーは、明治36(1903)年竣工の日本初の本格的ワイン醸造施設。園内にはブルワリーも併設され、自社製のクラフトビールも4種類販売している。「うしく ゆめかおりエール」は、4月から販売を開始した新作。同市産の小麦「ゆめかおり」を使用。ビールは本来麦芽を使うが、小麦そのものを使うことで、きめ細かな泡立ちが楽しめるという。ホップ由来のかんきつ系のさわやかな香りとフルーティーな味わいも魅力。500㍉㍑770円。同施設内ショップと、オンラインショップ「らくうる」で販売。同店オンラインショップは、こちら。
牛久市中央3の20の1 月曜定休 午前10時~午後6時 ☎︎029・896・3615
◆ 常陸野ネストビール ホワイトエール◆
木内酒造(那珂)
常陸野ネストビール ホワイトエール
木内酒造は、文政6年(1823年)創業の酒蔵。「常陸野ネストビール ホワイトエール」は、14世紀にベルギーで醸造されていた「ベルジャンホワイト」をベースに醸造されている。コリアンダー、オレンジピール、ナツメグなどが使用されていて、爽やかに香る。国際的なビールのコンペティション「ワールドビアカップ2004」のハーブ&スパイス部門での金賞をはじめ、受賞歴が多い。330㍉㍑370円。
那珂市鴻巣1257 無休 午前10時~午後6時半 ☎︎029・212・5111
(シリーズ終わり)