明治中期に建てられた造り酒屋の座敷棟「岡山家喜雨亭(きうてい)」(常陸大宮市高部)と、同建物の庭「養浩園(ようこうえん)」を公開する「特別公開」が、このほど行われた。
喜雨亭は6月に国登録有形文化財(建造物)に、養浩園は同月に国登録記念物(名勝地関係)に登録される見通しになった。公開はその記念で、約250人が来場した。
同市美和地域の地域活性化に取り組む「森と地域の調和を考える会」が企画。メンバーらによる説明付きのガイドツアーも行った。
喜雨亭は、偕楽園の好文亭を模したとされる木造3階建てで、文人墨客との交流や客人を接待する風雅の場として用いられたという。2階の座敷には、四季の庭をめでて詠んだ歌などがふすまや壁に貼られている。
養浩園は、喜雨亭の建造時期の前後に造られたとみられ、広さ約3000平方㍍。ヒノキやコウヤマキなどの針葉樹の高木、シロヤシオツツジの老木などが立ち、特徴ある石材が要所に配置されている。
喜雨亭の2階からは養浩園が望める
見学したひたちなか市の大森祥子さんは、「桜の木を使ったという廊下が美しく、ふすまの絵も魅力的」。水戸市の芹沢茂代さんは、「庭は四季折々に訪ねたい」と話していた。
なお、養浩園は、毎月第1、3土曜午前9時半~午後3時に公開している(12月~2月を除く)。喜雨亭は公開していない。観覧料500円(同所の整備、修理費用として活用される)。中学生以下無料。問い合わせは、同会☎︎0295・58・3812。