ひたちなか市の佐野小学校体育館で練習に励む女子バレーボールチーム「柏野はまぎく」の平均年齢は77・3歳。関東一円でその名を知られる実力派でもあり、今月19日に出場する「第3回関東女性バレーボールなでしこ大会」は、「もちろん優勝を狙っていく」とは、キャプテンの前田志津江さん(78)。
同大会は、70歳以上のメンバーで構成するチームが対象。関東各県で選出された16チームが参加する。会場は東京だ。同チームの平均年齢は、16チーム中2番目に高い。
同チームのメンバーは12人。40年以上、ほとんど変わらないメンバーで汗を流している。
練習は、週に2回。午後7時に始まる。体育館に響くボールのさく裂音、メンバーが飛び跳ねる音、かけ声の大きさも、それぞれの年齢を忘れさせる。レシーブ練習、トス練習など、めまぐるしくメニューが変わる。合間の休憩は、のどを潤す程度の時間のみ。練習開始30分後には全員、したたるほどの汗をかいている。
午後8時半から9時に練習終了。それぞれテキパキと道具をしまい、満足感いっぱいという表情で帰路についた。
70歳以上のメンバーが定期的に集まって練習しているチームは、全国でも珍しいという。同チームの一番の強みはそこにある。大会に出る多くのチームは、大会のために集まったメンバーで構成している。
続けられている理由は、「みんなの人柄の良さと、縁もあったんでしょう」とは最高齢メンバーの友部三紀子さん(84)。前田さんも、「みんながさっぱりしているのがいいんだと思う。大好きなバレーの後は、それぞれの暮らしに、しっかりと向き合う。だから、家族もバレーを応援してくれる。いい循環が今をつくってくれた」と話す。
伊東康久さん(58)は、唯一の男性メンバー。練習の手助けが役割だ。別のチームの一員として同じ体育館で練習してきたが、気がつくと合流していた。「はまぎくの皆さんは、バレー人のあこがれです」と話した。