宇宙線の力で古墳を調査 村とJ-PARCらが子どもを交えて(茨城・東海村)
測定器(中央)でミュオンを測定する様子

  東海村の巨大古墳「舟塚古墳群2号墳」を最新の技術を使って調査しようと、村内外の子どもたちと、専門家らのグループが、測定器を作った。宇宙空間を飛び交う放射線・宇宙線のミュオンを利用して、古墳の内部を「透視」するもの。村では来年度から、同古墳に設置して調査を始めることにしている。

 子どもたちは、測定器の組み上げなどに関わった。

 測定器は、高さ1m、幅1・5m、奥行き1・3mの箱型で、重さは200kg。 

 ミュオンは、物質を貫通する特徴があるため、古墳を破壊せずに内部の調査ができる。エジプトのピラミッドの調査でも用いられている。同村によると、ミュオンを使った古墳の調査は東日本では初めてとなる。

 子どもたちは、同古墳の調査を目的に、同村が、村内の研究施設「J-PARCセンター」などと協力して始めたプロジェクト「宇宙線ミュオンで古墳を透視プロジェクト」のメンバー。小学生から高校生までの25人で、測定器の製作は、昨年11月から3か月かけて行った。グループ名は「ミュオンにコーフンクラブ」。

 参加した1人、檜山鷹之介さん(16、茨城工業高等専門学校1年)は、「科学と歴史が融合した取り組みに興味を持った。自分たちで作った測定器が実際に動いてうれしい。調査も楽しみ」と話していた。

 なお、同クラブの本年度の活動は3月で終了した。来年度は古墳の調査などの活動を継続するという。測定器はもう1台の製作を予定している。

 

 

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