水戸市の紙布(しふ)作家、桜井貞子さん(93)の作品を紹介する「桜井貞子と紙布展」が、笠間市笠間の県陶芸美術館で開かれている。
紙布は、紙を原料にした糸「紙糸」を織り込んで制作するもの。縦糸と横糸の両方に紙糸を使った「諸紙布(もろじふ)」と、縦糸に絹や綿の糸を使うものの2種があり、軽くて手触りがよく、丈夫で洗濯も可能という。
桜井さんは、1977 年 に 宮 城 県 の 白 石(しろいし) 紙 布に 出合い、試 行 錯 誤 の 末に制作技術を身に付けた。2016年には、第36回伝統文化ポーラ賞地域賞を受賞。現在も紙布の可能性を追求し続けている。
展示は、着物8点と、帯7点。和紙を手作業で糸に仕上げていく制作工程の紹介もある。会期は5月15日まで。期間中に展示替えを行う。入場料一般320円、70歳以上160円など。月曜休館(3月21日、5月2日は開館し、3月22日は休館)。同館☎︎0296・70・0011。