知的障害者の社会進出を支援する社会福祉法人「清順会」は8月、水戸市吉沼町に「障がい者支援施設『蛍ホーム』(仮称)」を開設する。約50人が暮らせる大規模施設で、同法人の理事長、沢畑清子さん(63)とスタッフらの長年の思いが実る形。入所者の募集は受付中だ(面談などあり)。
沢畑さんによると近年、知的障害者の支援はグループホームなどの小規模施設が担当するケースが増えているという。沢畑さんは、「グループホームにも多くのメリットがあるが、大規模施設で、大勢の利用者、スタッフらと交流しながら暮らすことにも意義はある。選択肢を増やしたいという思いで施設開設を決めた」と話している。
一昨年に立ち上がった同法人は、沢畑さんが代表を務めるNPO法人「蛍の会」が母体。蛍の会は2002年に設立。駅伝大会、サッカー教室などのイベントの開催を通して知的障害者の社会進出支援に取り組んでいる。知的障害者を対象にした駅伝大会は全国でも珍しく、県内外からの参加者は毎回500人を超える。
蛍ホームの開設につながった思いは、こうしたイベントを見守るなかで生まれたものだという。
「多くの障害者は普段、家族を含めた小さな輪の中で暮らしている。イベントで仲間たちに囲まれたときの笑顔は普段では想像もつかないほど輝いているもの。私も障害者の親。私がいなくなった後も、子どもと、その仲間にも、笑顔に囲まれていてほしい」と沢畑さん。蛍ホームのオープンは8月1日の予定。
設立準備室☎︎029・231・8738。