車いすをさらに自由に 松崎さん 芝生対応の器具を開発普及(茨城・潮来)
ハグマルを装着した車いすに乗り、ハグマルを持つ松崎さん

 潮来市須賀南の建設会社経営、松崎昌樹さん(82)は、車いすのタイヤに装着して、芝生上でも使えるようにするための独自の器具を開発し、普及を進めている。

 器具の名前は「ハグマル」で、構想を含めて5年越しで完成、昨年、特許を取得した。先日は、器具を装着した車いす2台を同市社会福祉協議会に寄贈した。

 器具の仕組みは、大型重機などに使われる駆動ベルトに似ている。縦約3・5㌢、横約5・5㌢のプラスチック製の部品を、車いすの1つのタイヤにつき70個前後、連結させて装着する。地面に接する部分は平らで、タイヤに接する部分はU字状。タイヤの空気を減らした状態で装着し、その後、空気を入れるとしっかりと固定される。

 松崎さんは、右手に障害があり、全国障害者スポーツ大会への出場経験もある。身体障害者を支援する活動にも長年取り組んでいて、現在は、市身体障害者福祉協議会長も務める。

 運営する会社ではグラウンドゴルフ場の管理も行っていて、自身もプレーする。「グラウンドゴルフの選手の仲間には、障害や年齢の理由で車いすを利用する人が多い」と松崎さん。アスファルトで舗装された離れた場所から観戦していたり、プレーしたいけれどできない車いす利用者の姿に歯がゆさを募らせて、開発を始めたという。

 松崎さんは中学校卒業と同時に、五輪景気で盛り上がる東京に働きに出た“金の卵”世代でもある。

 「昔からどんなことでも、自分で考えて自分で行動して成果を出してきた。ハグマルの開発もその延長」と松崎さん。

 近く、小売りを始める予定で、車いす1台分で1万5000円ほどを予定している。製造工程の一部を福祉作業所に依頼することも検討しているという。

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