鉾田市新鉾田西の新鉾田交差点の南側に、一見して元はガソリンスタンドだったと分かる珍しい店がある。店名は、キャノンボール。アメリカ雑貨販売を中心にしながら、ホットドックが自慢のカフェを兼ねる。それらの営業は土~火曜のみで、ほかは自動車修理工場となる。店主の澤畑栄一さん(52)は、「好きが高じてこの形になった」と笑う。
店は、アメリカを横断する国道に建っているというコンセプトで営業。国道は、かつて実在して、廃線になった「ルート66」。ルート66は、特にアメリカ西部の発展の礎になった側面があり、歴史の上でも、文化的にも存在感がある。「古き良きアメリカの象徴」と澤畑さん。
澤畑さんは、少年時代からアメリカンカルチャーが好き。今でも毎年、アメリカに向かい、ルート66の近辺に直行する。水戸市で長年にわたり、今と似た形態の店を持っていたが、友人らに、「いつかアメリカで店を出す」と話していた。
鉾田市は、澤畑さんの地元。そこに、「まさにアメリカ!」と思わせるガソリンスタンド跡を見つけ、契約したのが5年前。専門雑誌に取り上げられたこともあり、遠方からも、車やアメリカ好きが集まる。
澤畑さんは、「お客さんには、古き良きアメリカが発信していた自由とか、夢を感じてほしい」と願っている。