
笠間市東平の洋菓子店くり~むには、これから9月上旬までの間に、東日本の各地で収穫されたモモが、産地をバトンリレーするかのように入荷する。最初の入荷は山梨県から。これから福島県、山形県、秋田県、北海道へと移動する。
「昔は、秋田県が北限とされていたんだけど、これも気候の変化の影響だろうね」と、同店シェフの伊藤修二さん(62)。
入荷したモモは、同店の看板商品「そのまま桃」に生まれ変わる。皮をむいたモモにカスタードクリームをつめたもの。
同品の発売は、四半世紀前。夏の看板商品を作り出そうと栃木県の人気店に学んだ。当時、茨城県では、同様の商品は見当たらなかったという。
こだわりの1つは、入荷したモモを追熟させること。「同じ箱に入って来ても、成熟具合はばらばら」。一つ一つ手に取り、硬さと肌触りを確かめる。もう一つは、湯せんなしで皮をむくこと。「モモの濃い味わいを失いたくないんだ」
ライバルはモモだ。入荷するモモはトップランク。「そのままでも当然おいしい。負けない味に仕上げるのが私たちのプライド」と伊藤さん。同店<☎0296・77・9918(水曜定休)。