行方市立麻生中学校の吹奏楽部員たちがこのほど、今年の3年生にとって最後のステージとなる定期演奏会を終えた。会場は、同中学校の多目的ホール。今年は、新型コロナウイルスの影響で県吹奏楽コンクールが中止となったため、3年生にとっては最終年度の最初で最後の晴れ舞台となった。
部長の茂木咲良さんは「最後の演奏を楽しめた。100点満点の演奏」と笑顔を見せた。
県吹奏楽コンクールの中止が決まったのは、5月。一時は、目標を失い落胆する生徒たちの最後の舞台として、市内中学校との合同演奏会の開催も検討された。
しかし、恒例の定期演奏会と両方行うのは難しく、どちらを実施するかは生徒たちに判断を委ねられた。生徒らは「先輩たちが続けてきた定期演奏会を開きたい。伝統を引き継ぎたい」と希望した。
定期演奏会の選曲は部員たち主体で決定。部員の保護者が、会場の飾り付けや照明の操作など担当した。客席には、感染症対策として、3年生の保護者のみ招待された。
コンクールで演奏予定だった「アトラス 夢への地図」など5曲を披露。最後は、3年生部員の引退の儀式。1、2年生の演奏をBGMにしながら、顧問の山本早苗教諭から全員に花束が渡された。
「音に感謝の気持ちを乗せて演奏できた。先輩たちからの伝統を、後輩たちにつなげることができうれしい」と茂木さん。