神栖市役所都市計画課に勤務する萩原雅人さん(29)は、細長い風船を組み合わせて動物などの造形物に仕上げるバルーンアートの達人。着ぐるみのように、人が入り込める大作も制作する。アメリカの風船メーカーが主催する国際的なコンテストで入選したことがあるほか、日本最大規模の大会で4位になった実績もある。
2児のパパで、長女は2か月。自宅での練習では、「風船がこすれあうときの『キュッキュ』という音が悩みの種」。夜は娘が起きないように、風船にワックスを塗るなど工夫している。
茨城大学の大道芸サークルで、人を喜ばせることに夢中になった。当時の本業はバランス芸だったが、サークル仲間と練習成果を披露し合う日々の中、バルーンアートの基礎も身に付けた。
大学時代の萩原さんの活動を知る上司から、「バルーンアートで地域イベントを盛り上げてくれ」と頼まれたのが、今へ続くきっかけ。地域の大勢の人たちが喜ぶ様子を見ると情熱がよみがえった。
作品はSNSでも発表している。作品を見て反応する人は、国内外を問わない。最近うれしかったのは、名前を付けずに発表した作品を、「萩原さんの作品ですよね」と言い当てられたこと。「少しずつ、作風がまとまってきているようです。風船をふくらますことで、私の世界もどんどんふくらんでいる」と萩原さん。