那珂市のイラストレーター、すどうようこさん(72)はこのほど、自身の日々の暮らしの一コマを描いた漫画冊子「年年歳歳 歳をとっても兄妹(きょうだい)」を自費出版した。古希を記念して描き始めた漫画「年金ばあちゃんシリーズ」の第3弾。「特に同年代の人に楽しんでもらえたら」と、すどうさん。
冊子は計46㌻。マスクを買いに出かけたのに、ほかのものを買って肝心なマスクを買い忘れたこと、財布を落とし、「おばあさん、落とし物ですよ」と呼びとめられ、「私はおばあさんではない」と答えたこと。ほかに、ふるさとの福島県で過ごした昭和30年代の思い出を描いた漫画も収録。
高校時代から俳句を詠んでいる兄の靍田進さん(76)の俳句を掲載するページも設けて、きょうだい合作とした。
すどうさんは、郡山市生まれ。少女時代からの夢は漫画家になること。郡山の短大でデザインを学び、就職した東京の東京動画研究所では、アニメ版の「巨人の星」や「あしたのジョー」などの動画制作に関わった。
その後は福島に戻り、テレビ局でニュース用の素材などを制作。結婚を機に茨城に来て、デザイン事務所などに務めた後、フリーに。那珂市のキャラクター「ひまわり大使ナカマロちゃん」、東海村公式キャラクターの「イモゾー」のデザインも手がけた。
漫画「年金ばあちゃんシリーズ」は、当初は1冊出して終わりにする予定だったが、同年代の人や、自分より年上の人たちから、「次も読みたい」と喜ばれ、描き続けることにした。
漫画を描くためのネタ張はいつも持ち歩く。漫画は、4コマが中心で、長くても8コマ。「長く書くのは無理」と笑うが、「読む人たちも、長いのは読むのが大変だから、短くていいと喜ばれるの」。1冊500円。問い合わせは、すどうさん☎︎029・295・1013。