音楽愛で地域を笑顔に 「歌声喫茶inトモア」を開く逢坂さん
合唱団時代のタキシード姿がトレードマーク

 笠間市の地域交流センターともべで開かれている「歌声喫茶inトモア」で、歌声リーダーを務めているのは、優しいバリトンボイスの逢坂(おおさか)せいしさん(70、水戸市)。元大手音響機器メーカーの技術者で、同社の合唱団にも所属した。豊富な知識からの歌のミニ解説も好評だ。

 13日に開かれた歌声喫茶には、市民ら約40人が参加。歌う前に、「歌に関する1分解説」をするのが逢坂さん流。

 唱歌「早春賦(そうしゅんふ)」は、「春の喜びをウグイスに託して歌った歌」と紹介。歌謡曲「長崎の鐘」の際は、「歌の後半は、気持ちを朗らかにして歌いましょう」とアドバイス。作詞のサトウハチローさん、作曲の古関裕而さんのエピソードも交えた。叙情歌や昭和歌謡曲20曲をみんなで歌った。

 逢坂さんは福島県出身。中学時代には、真空管アンプを見よう見まねで作った。日本ビクターに入社し、米国の駐在員も経験。ビートルズの元メンバー、ジョン・レノンさんの自宅に音響機器を納品、解説したこともある。

 水戸事業部に勤務した縁で同市に住んで約30年。歌声喫茶の活動を始めたのは、5年ほど前、「高齢者施設で歌ってほしい」と声がかかったのがきっかけ。施設の人が、逢坂さんの歌を聞いた参加者を指して、「あのおじいちゃんの笑顔を見たのは初めて」と喜ぶのを見て、「歌で役に立てるのかな」と気がついた。

 同センターでの歌声喫茶は2年前から。新型コロナウイルスの影響で休止していたが、マスクをしたまま歌うことなどをルールに今月再開した。

 スピーカーなどの機材は自前。機械の操作や進行など、1人で何役もこなし、毎回汗だくになるが、「みんなで楽しく歌えたら、幸せ」と笑顔。

 次回予定は8月8日(定員70人)。参加費500円(飲み物付き)。問い合わせ、予約は、同センター☎︎0296・71・6637。

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