日立市のJR多賀駅周辺を盛り上げようと活動する茨城大学の大学院生らのグループ「TaganiaL(タガニアル)」は、発足してから1年が経過した。3月末には、同駅前の空き店舗で、周辺事業者、行政とタイアップして工作イベントを開催。「少しずつ知ってもらえるようになって、今回のイベントにも参加させてもらえた。多賀を応援するためのグループですが、応援されている部分も多いのです」と笑うのは、メンバーの1人の相田直輝さん(23)。
発起人は、今春、大学院を卒業した細越沢祐斗さん(25)。常陸多賀地区での食べ歩きが好きだった細越沢さんが、1年後輩の相田さんを誘ったことから始まった。新型コロナウイルスの感染拡大の不安が、町のにぎわいに影響し始めたころで、「僕たちなりに多賀の町の役に立ちたいと考えて、発足に至った」と相田さん。友人らを当たり、現在のメンバーは12人になる。
活動の柱は、ホームページやSNSを使った町のPRだ。
ホームページの飲食店紹介コーナーには9店舗の情報が並ぶ。メンバーによる取材には、次の3つのモットーがあるという。「学生目線を大切にする」「店を評価するのではなく、魅力を引き出す」「店の人の魅力も取材する」。結果として、店主のロングインタビューが掲載された店舗もある。
現在は、新型コロナの影響で休止中だが、月に1度、町の清掃活動も行っている。また、商店主などの希望者対象にSNS講座を開くこともあるという。
同大学のサークルでもゼミでもなく、「位置づけは趣味。単位や成績にはまったく影響しない」と相田さん。それでも、得るものは多いという。
「メンバーには、県外出身者もいるので、家族のように付き合ってくれる人たちの優しさがどれほど心強いか。活動するごとに多賀を好きになって、心も豊かになっている気がする」と相田さん。
ホームページはグループ名で検索できる。