
フィリピンネグロス島の学生らと、柔道を通した交流を続けている鹿嶋市の柔道家、仮屋茂さん(82)のもとにこのほど、同島の州知事から、感謝状が届いた。
仮屋さんと学生らの交流期間は10年。同州で指導を行ったり、柔道着や柔道用の畳を寄贈したりが内容だ。寄贈した畳は261枚に上る。
仮屋さんは、「学生たちのまっすぐな瞳に突き動かされ、指導を続けてきた。命ある限り続けたい」と、笑顔だ。
送り主は、西ネグロス州のユヘニオ・ホセ・ラクソン知事。感謝状の日付は3月18日付。
仮屋さんは小学生の頃から相撲を取り、社会人になってから柔道を始めた。勤務先では柔道部をつくり、監督も務めた。29歳で鹿嶋柔道スポーツ少年団を立ち上げ、40歳代から、柔道を通した国際交流を続けてきた。
ネグロス島との交流は、同島を支援するNPO法人から、「大学で犯罪学を学ぶ学生たちに、柔道を教えてもらえないか」と相談されたのがきっかけ。訪ねてみると、練習環境が全く整っていないことに驚いた。練習場所は、屋外のコンクリートの上で、柔道用の畳はない。ジャージー姿で、柔道着を来ている学生は1人もいなかった。
「こんな環境では練習できない」と思ったが、仮屋さんが受け身の取り方を実演すると、学生たちは、コンクリートの上でも黙々と練習に取り組んだ。そんな姿に、「私も真剣になりました」。10年間で、教え子の中から指導者も生まれている。