
50年前に、旧鉾田小学校の敷地に埋設されたタイムカプセルの中身が、鉾田市徳宿の市生涯学習館とくしゅくの杜(もり)に展示されている。
内容は、当時の児童約800人の作文、習字、絵のほか、クラスごとの集合写真、体操服、おもちゃなど。展示は、同市の山崎忠邦さん(60)らが企画した。山崎さんは、当時4年生で、タイムカプセルに思い出の品を納めた一人でもある。展示は5月31日まで。
タイムカプセルが埋設されたのは1974年12月。同校の創立100周年を記念したものだった。埋設場所の石碑には、「創立百周年を記念し、ここに本校の今日の姿を収め五十年後の皆さんに伝えます」と記された。
ところが、開封まで残り5年のときに、同校は閉校した。山崎さんは閉校当時、PTAの役員をしていた縁で、その後のタイムカプセルの取り扱いを任された。
封を開けたのは、今年2月。埋設時にPTA会長だった高柳辰美さんを招いて作業した。
中身は、とてもきれいな状態だった。集合写真には、だれがどこに並んでいるかを記した図が添えられていた。担任の先生が手書きしたものだった。ウイスキーも納められていて、「カプセルを開いたとき盛大に乾杯されたし」と、添え書きされていた。
「開けてみて、当時の思いが伝わってきた。責任重大だったが、展示できてよかった」と、山崎さん。「50年前に企画された方々の願いを果たせることができた。展示作業は楽しかった」とは、とくしゅくの杜に勤務している大場靖之さん(61)。大場さんは、山崎さんの1年先輩で、展示の企画者の一人だ。
見学は自由で、個人の作品は会場で返却している。
開館時間は午前9時~午後5時。休館日は、7、12、19、26日。
問い合わせは、とくしゅくの杜タイムカプセル係☎0291・36・6900。