渋皮は香ばしく、実はほっくり 栗農家の揚げ栗(茨城・笠間市)
おつまみにも、おやつにもおすすめの揚げ栗

 秋の味覚の代表格、栗が出回り始めた。

 栗の食べ方というと、ゆでたり、栗ご飯にしたりが思い浮かぶが、「揚げ栗もうまいんだよ」とは、笠間市平町の栗園「かねこ農園」の金子祥一さん(73)。同園は7代続く栗農家。

 金子さんの娘の真由美さんが、採れたての栗でつくってくれた。

 生の栗を洗って、包丁や栗の皮むき器などで鬼皮をむく。「丁寧にむかなくても大丈夫。渋皮煮より、ずっと大雑把に」と、真由美さん。むいた栗を、130~140度の油で素揚げする。時間は10~12分ほど。揚げはじめて少しすると、栗の甘い香りが立ってきた。

 揚がったら、塩を適量ふっていただく。渋皮は、衣のようにカリッと香ばしい。ほろ苦さがいいアクセントにもなる。中の実は、渋皮の中で蒸されるからか、ほっくほく。「ビールが飲みたくなるでしょう?」と、笑う真由美さん。

 金子家の定番の栗メニューは、もち米と一緒に蒸した栗ごはん。真由美さんが子どもの頃は、運動会の日は必ず栗ご飯だったそうだ。

 揚げ栗は、生産者ならではの食べ方を聞かれると教える一品。「ゆで栗よりも調理時間が短いし、また違った味わいがある。ぜひ試してみて」と、2人。

 

揚げ栗のレシピ

 

 

栗の写真

なるべく小粒の栗を選ぶ

 

 〈材料〉 生栗(なるべく小粒のものを)、揚げ油、塩

 〈作り方〉 

 ①生栗を水洗いして、水気をふきとる

 ②生栗の鬼皮をむく。渋皮はむかずに残す

 ③揚げ物用の鍋などに油を入れて、130~140度に熱する。❷を入れて、10~12分程度、じっくりと火を通す

 ④❸を鍋から取り出して、油を切る。火が通ったかどうかは、竹ぐしを刺してみて確認する。すっと通ればOK

 ⑤全体に塩を軽くふる。

 

 おいしく揚げるこつは、「小粒の栗を選ぶこと」と、真由美さん。大粒だと火の通りが悪く、揚げる時間が長くなってしまい、焦げる原因になる。

 揚げる油の温度が高くても、焦げやすくなる。130~140度で、じっくり揚げるのがおすすめだ。

 おいしく食べるこつは、「揚げたてを食べること。あつあつの状態が一番おいしいです」。

 

かねこ農園はどんなところ?

 

金子祥一さんと園を手伝う孫

 

 かねこ農園は、栗の大規模栽培を始めて約60年。大粒で香り高い栗を育てている。栽培品種は、「人丸(ひとまる)」(9月上旬~中旬)、「ぽろたん」(同)をはじめ約10種。生栗の直売はしていない。販売は同農園のホームーページから。

 笠間市では珍しい栗拾い体験を行っている栗園でもある。今年は9月14日からの約1か月間で、土・日曜、祝日限定。同農園ホームページからの事前予約が必要。料金は大人550円(約1時間)。同農園ホームページhttps://kaneko-kuri.jp/

 

 

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