匠の技術が本堂を再建中 無量寿寺(茨城・鉾田市)
再建現場で話し会う片岡住職と纐纈さん。写真中央から右手に伸びる木は、本堂の梁(はり)。現場では虹梁(こうりょう)と呼ばれていた

茨城再見聞

  鉾田市鳥栖の無量寿寺で、本堂の再建工事が進んでいる。作業に当たるのは、岐阜県からやってきた宮大工の9人。現在は、骨組みが整ってきた状態。今年いっぱいの完成を目指している。本堂は平屋建てで、延べ床面積331平方メートル。

 再建計画がスタートしてから3年余りが経過した。設計、木の買い付け、その後の約1年間の木の乾燥も宮大工が係わった。

 直径48センチの丸柱を含めて30本の柱が立つが、それぞれ微妙に太さが違うという。原木の力を最大限に生かすことを優先してのこと。作業に手間はかかるが、「私たちにとっては当たり前のこと」と主任宮大工の纐纈(こうけつ)和幸さん(38)。

 現場は、技術の継承の場所でもある。角田海人さん(20)は、大阪府出身。宮大工だった祖父にあこがれて門をたたいた。「甘い職場ではないけど、面白い」と頼もしい。

 「ここは、大きな木がたくさん使われていることが特徴の1つ」と、纐纈さん。それは、同寺の片岡順暁住職(64)の希望でもあった。「震災を経たせいもある。安心感のある本堂にしたかった」と片岡住職。

 かつての本堂は2021年に火災で焼失した。

 

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