木桶つないだ職人技 創業200余年のみそ店と県唯一の職人が協力(茨城・大子町)
木づちでたがをはめる友部さん

  創業から200年以上の歴史がある大子町下野宮の味噌糀(みそこうじ)店「糀や菊池商店」はこのほど、たががゆるんでしまった木桶(おけ)を、水戸市の友部昭夫さん(63)の力をかりて修理した。友部さんは県内唯一の桶職人で、「水戸やなかの桶」2代目。

 同商店のこうじとみそ造りは、創業当時と変わらぬ手法を守っていて、木製桶は、欠かせない道具の一つ。桶にも、味を深める菌が潜んでいて、みそとこうじの味に影響するためだ。

 修理は、竹の採取から始まった。ゆるんだたがは竹製だった。

 採取場所は、同商店の裏山。理想とした竹は、3年物で、節間が長くて、まっすぐなもの。吟味しながら時間をかけて見つけると、慣れた手つきで竹ひごに加工して、桶に巻き付けていった。

 友部さんは、「あまり接することがないほどに古い桶だった。しっかりと直したので、あと20~30年は問題なく持ちます」と満足げ。同商店6代目の菊池良仁さん(26)は、「修理してもらった桶に恥じないように、今後もみそ、こうじ作りに精進します」と話した。

 

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう