飛鳥時代の政治改革「大化の改新」で中心的役割を果たした中臣鎌足が、鹿嶋市の下生地区で生まれたという説があることをテーマにした講演会が2月11日午後1時半、鹿嶋市宮中の中央公民館で開かれる。講演会のタイトルは「中臣鎌足~鹿島生誕説を追う」。元同市職員で県考古学協会副会長の森下松寿さん(74)が講師を務める。講演会への参加は自由だ。
鹿島生誕説の原点は、平安時代後期にまとめられた歴史物語「大鏡」の記述。鎌足は、鹿島神宮のある常陸の鹿島で生まれたとある。江戸時代から明治にかけてまとめられた「新編常陸国誌」には、同市宮中の鎌足神社が生誕の地だという記述もある。全国的には、奈良県生誕説も有名だ。
森下さんが同講演会を開く目的の一つに、「鹿島という地域の面白みを広めたい」という思いがある。人物への関心をきっかけに地域の歴史への関心が高まり、それが地域の面白みを高めると考えている。鹿嶋市の鎌足が、水戸市のスター、水戸光圀や徳川斉昭への対抗馬になればという思いもあるという。
講座では、鹿島生誕説の疑わしい部分にも焦点をあてる。「歴史は、時の権力者の都合の良いように塗り替えられることも多い。それも面白みの一つだと知ってもらえれば」と森下さん。