日立市大久保町にある3つの城跡に目を向けて、地元活性化のきっかけにしようという動きが出てきている。城跡は、大窪(くぼ)城跡、天神山城跡、愛宕山城跡。築城は1100年代~1500年代で、戦国時代には佐竹氏の重臣が居城にした。
大窪城跡は、江戸時代に水戸藩の教育施設として再建され、今は同市が管理。天神山城跡、愛宕山城跡は、10分弱の山歩きでたどり着く山中だが、堀の跡などがはっきりと残る。最近の動きの中で、天神山城跡と愛宕山城跡への案内と、解説の看板も設置された。
大久保鹿嶋神社の氏子らの稲穂会が仕掛け人だ。70歳代以上が中心の会だが、城跡について詳しい人は少なかった。「歴史まで失われてしまう」と立ち上がったのが、小田倉富夫さん(67)ら。「大久保の史蹟と自然で遊ぶ会」という新グループを立ち上げた。
「遊ぶ会」としているところがポイント。山中の城跡周囲は、地主の理解を得て整備中。作業には、地域も巻き込む考えで、「常陸太田市まで続くハイキングコースができれば」という夢も生まれた。