水戸市植物公園(同市小吹町)の薬草ハーブ園に立つシンボルツリー・キハダの木の下には、木を囲むように円形の木製デッキが設置されている。大きな木の下で一休みできる、癒やしのスポットだ。
デッキは直径8㍍で、木は高さ8㍍。座って、空を見上げたり、葉音に耳を傾けたりするほかに、この時期ならではの楽しみもある。「例年、5月下旬~6月上旬にかけて、頭上から未熟なキハダの果実が落ちてくる。デッキの上で、トトトン、トトトンと、楽しい音を奏でてくれます」と、同園の西川綾子園長。
キハダの木を植えたのは、33年前。5年前に、周辺が薬草ハーブ園として再整備されたのをきっかけに、同園のシンボルツリーに選ばれた。
キハダは、ミカン科の落葉高木。樹皮をはがすと、内側の皮は鮮やかな黄色であることが名前の由来。江戸時代には、もっとも優れた薬木(やくぼく)とされ、古くから整腸薬の原料に使われてきた。
デッキに腰掛けた市内の菊池澄子さんは、「周りの緑が鮮やか。さわやかな気分になりました」と話していた。